芭蕉db
   仙化が父追善

袖の色よごれて寒し濃鼠

(蕉翁句集)

(そでのいろ よごれてさむし こいねずみ)

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  貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。『蕉翁句集』では元禄4年とするが怪しい。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。
  前詞にあるように仙化<せんか>の父の追善の句である。仙化は江戸蕉門の弟子。『蛙合』の編者。

袖の色よごれて寒し濃鼠

 父の死を悲しんで意気消沈している仙化の姿。その着ているものも寒々しくその袖は薄汚れている。それが一層悲しみを呼び起こす。「濃鼠」はねずみ色の喪服のことか。