芭蕉db

忘れずば小夜の中山にて涼め

(丙寅紀行)

(わすれずば さよのなかやまにてすずめ)

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 貞亨元年。伊勢神宮の御師であった門人松葉屋風爆の伊勢への旅の出発にあたっての一句。夏旅は暑さとの戦いであった。

忘れずば小夜の中山にて涼め

 延宝4年芭蕉は、東上の途次、小夜の中山にて命なりわづかの笠の下涼み」と詠んだことがある。いま、東海道の旅に出る風爆にこれを贈る。餞別吟。