芭蕉db
春の夜は桜に明けてしまひけり
(俳諧翁艸)
(はるのよは さくらにあけて しまいけり)
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貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。
なお、この時期の制作年次不明のものとして、
58句
がある。
春の夜は桜に明けてしまひけり
夜桜を見ているうちに春の夜は早々に明けてしまった。もしこの作品が、芭蕉初期のものであればこういう解釈であろう。後期のものとすれば、こんな単純な情景を叙するわけはないから、春の夜は、最後に桜に渡されるようにぼんやりと明けていく、となるか? いずれにしても作句年代が解釈の鍵を握っている句。こういう作品は無数にあるが、この作品もその一つ。
川崎市宮前影向寺境内の句碑(牛久市森田武さん提供)