芭蕉db

分別の底たたきけり年の昏

(俳諧翁艸)

(ふんべつの そこたたきけり としのくれ)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間で制作年代不詳。なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。ただし、『蕉翁句集』では元禄6年年末としている。

分別の底たたきけり年の昏

 作句時期が年末であれば、ここにいう分別は年越しの分別である。わけても金銭の分別とするのが妥当であろう。押し詰まった年末もはやどう工面しても年を越す条件が整わないとき、分別は底をついてしまうのである。
 ところで芭蕉のように脱俗の人には年の瀬の分別も大したものでは無かろうから、ここで呻吟している人は他人としておいてもよさそうである。