芭蕉db
　　　立秋

秋来にけり耳を訪ねて枕の風

（六百番俳諧発句合）

（あききにけり みみをたずねて まくらのかぜ）

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　延宝5年、芭蕉34歳の時の作。芭蕉は、この年に俳諧宗匠として立机（プロの俳諧師になること）したらしい。この年22句が現存する。

秋来にけり耳を訪ねて枕の風

　秋がきた。その証拠に秋風が耳を訪ねて枕もとに忍び寄ってきた。風を擬人化したところが談林風なのである。藤原敏行の歌「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」（古今集）をパロディー化したものだが、いかにも未熟な作。