芭蕉db

花木槿裸童のかざし哉

(真蹟画賛)

(はなむくげ はだかわらべの かざしかな)

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 延宝8年、芭蕉37歳の作。この年17句が記録されている。『東西夜話』では「裸子の木槿の花もちたる画の賛に」と詞書がついている。画讃句。

花木槿裸童のかざし哉

 「ももしきの大宮人はいとまあれや桜かざしてけふもくらしつ」(山部赤人『新古今集』)を俳諧化したもの。平安の貴族たちなら桜をかんざしにして春の日を暮らしていたのであろうに、この絵の山里の子供は素っ裸でムクゲの傍らで遊んでいる子供は、きっとムクゲの花をかんざしにして春の日をいっぱい暮らしているのであろう 。
 


富山県小矢部市にあった「花木槿・・・」の句碑(森田武さん撮影)