芭蕉db

百里来たりほどは雲井の下涼み

（蕉翁全伝）

（ひゃくりきたり ほどはくもいの したすずみ）

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　延宝4年，芭蕉33歳の時の作。これ以前の作が元気だけの若さを露呈していたものが、この年頃から香りを加えてきたようである。これは，二度目の帰京の折、伊賀上野山岸半残亭にて。なお、この伊賀帰郷の際の作品は7句残っている。

百里来たりほどは雲井の下涼み

　江戸から100里の道を辿って伊賀に帰郷してみると、気分は「程は雲居」といった按配で、のんびりと雲居の下で涼を取っているようなものだ。「程は雲居」とは雲の彼方、遠方に隔絶した気分を言う。