塩にしてもいざ言伝ん都鳥

芭蕉db

塩にしてもいざ言伝ん都鳥

（俳諧江戸十歌仙）

（しおにしてもいざことづてんみやこどり）

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　延宝6年11月、芭蕉35歳の時の作。この年12句が現存する。『俳諧江戸十歌仙』は春澄・似春とともに巻いた歌仙。一句は都へ帰る春澄への餞別吟。

塩にしてもいざ言伝ん都鳥

　『伊勢物語』の「名にしほはばいざこととはむ都鳥わがおもふ人はありやなしやと」をパロディー化したもの。都へ帰る春澄に都鳥を塩漬けにしてでも持って帰ってください、というのである。塩漬けにされては都鳥もかたなしであろう。
　都鳥は冬の渡り鳥、ゆりかもめのこと。

　