芭蕉db

忘れ草菜飯に摘まん年の暮

(俳諧江戸蛇之鮓)

(わすれぐさ なめしにつまん としのくれ)

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 延宝6年、芭蕉35歳の時の作。一句は、素堂らとの三吟。この年12句が現存する。

忘れ草菜飯に摘まん年の暮

 「忘れ草」とはカンゾウ (甘草=マメ科の多年草。高さ約七〇センチ。葉は卵円形の小葉からなる羽状複葉。夏、淡紫色の花を穂状につける。中国などに分布。根にサポニンを含み、去痰(きよたん)・胃潰瘍(いかいよう)などの薬とし、またビール・タバコ・醤油の甘味料に使用。あまき。あまくさ。(『大字林』))のこと。「菜飯」は菜っ葉を細かく切って粥にかけて食べるご飯のこと。菜飯の食材として忘れ草をかけたら、この年の暮一年の憂さも忘れるであろう。