芭蕉db

猿引は猿の小袖を砧哉

（続有磯海）

（さるひきは さるのこそでを きぬたかな）

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　貞亨元年（41歳頃）頃から死の元禄7年（51歳）までの間。『蕉翁句集』では元禄4年とするが怪しい。
　なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。

猿引は猿の小袖を砧哉
　秋が深まって山里では女たちが夜なべ仕事に砧を打っている。そんな折、猿まわしの男たちは猿の小袖のために砧を打っていることだろう。「猿引」は猿まわしのこと。農閑期になると訓練した猿を引き連れて街に出てその芸を見せて木戸銭を取った。「砧」は、石や木の棒で叩いて麻などの硬い繊維を柔らかくする作業をしたが、その道具のこと。