芭蕉db

またうどな犬ふみつけて猫の恋

(茶の草子)

(まとうどな いぬふみつけて ねこのこい)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。


またうどな犬ふみつけて猫の恋

  「またうど」は「全人」と書き、まじめ、律儀などから少々転じてくそまじめの雰囲気をもつ。ここでは犬が間抜けた律儀さで門の護衛に当っているのに、恋に狂った猫ときたらこの犬を踏みつけて外に出て行った。恋愛至上主義の猫と忠義至上主義の融通のきかない動物が引き起こす滑稽を句に捕らえた。