芭蕉db

紅梅や見ぬ恋作る玉簾

(桐葉宛真蹟書簡)

(こうばいや みぬこいつくる たますだれ)

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 元禄2年。『奥の細道』にでかける前。この句は、桐葉宛書簡に出てくる。

紅梅や見ぬ恋作る玉簾

 紅梅が美しい家に玉すだれがかかっている。王朝文学の装置が揃っているこの家には未だ見ぬ佳人が住んでいるのかもしれない。そう思うとその人にそこはかとない恋心さえ感ずるから不思議なものだ。


豊川市国府国府観音にて牛久市森田武さん撮影