芭蕉db

憂き人の旅にも習へ木曽の蝿

(韻塞)

(うきひとの たびにもならえ きそのはえ)

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 元禄6年5月6日、50歳。旅立つ許六に贈った餞の句。「旅人の心にも似よ椎の花」と同じ日の同じ目的で作られた句。

憂き人の旅にも習へ木曽の蝿

 5月6日といえば木曽路はきっとハエが飛び回ってうるさいことでしょう。この旅の憂さこそ旅の真髄です。能因法師や西行など旅の先達たちに学ぶ良い機会です、と解釈すると説教調が強すぎる。
 木曽のハエよブンブン飛び回って邪魔をするではない。いま、そこへ向かうこの人こそ旅の情をその真髄まで知っている人なのだから、とすれば説教はハエに向かう。