芭蕉db

月花の愚に針立てん寒の入り

(俳諧薦獅子集)

(つきはなの ぐにはりたてん かんのいり)

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 元禄5年冬。寒の入りとは小寒のこと。当時から数えて15日目で一年中で最も寒いとされる時期。

月花の愚に針立てん寒の入り

 一年中、月よ蝶よ花よと風流三昧の生活をして今日は寒の入り。この厳しい寒さは、まさに現実そのもの。とても風流などいっていられる寒さではない。そう言いながらなお寒の入りを風流にしている自分がここにいる。同じような句として「月雪とのさばりけらし年の暮」がある。