芭蕉db

寒菊や粉糠のかかる臼の端

(炭俵)

(かんぎくや こぬかのかかる うすのはた)

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 元禄6年、50歳。

寒菊や粉糠のかかる臼の端

 陽だまりの庭先、作者は臼と杵で米をついている。つき終えてみると寒菊の葉にも花にもうっすらと粉糠がかかっている。閑なしずかな芭蕉庵の冬の一日である。晩期の傑作の一つ。「寒菊や醴<あまざけ>つくる窓の前」など寒菊の句にはいいものがある。嘱目吟。
 なお、寒菊とは冬に咲く菊の総称である。冬菊とも。


埼玉県秩父郡吉田町菊水寺境内の句碑。この句碑は、埼玉県重要文化財に指定されていますが、大部分剥落してお
り、判読できませんでした(写真と文:牛久市森田武さん)