芭蕉db

艶ナル奴今様花に弄斎ス

(木因宛真蹟書簡)

(えんなるやっこ いまようはなに ろうさいす)

艶なる奴花見るや誰が歌のさま

(真蹟短冊)

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 天和2年、芭蕉39歳の作。オリジナルは谷木因宛書簡にある。

艶ナル奴今様花に弄斎ス

 「弄斎」は江戸の幇間<ほうかん>で弄斎節という小唄を流行らせた。「弄斎す」とは弄斎節を歌うこと。ここでは、その今流行りの弄斎節を色っぽい奴が花見の席でなまめかしく歌っているというのである。
 「奴」は、男色の草履取りのこと。