芭蕉db

張抜きの猫も知るなり今朝の秋

(知足伝来書簡稿)

(はりぬきの ねこもしるなり けさのあき)

張抜きの猫も知るべし今朝の秋

(芭蕉句撰拾遺)

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 延宝年間(30歳〜37歳)頃までの間の作。立秋の朝の作らしい。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、7句がある。

張抜きの猫も知るなり今朝の秋

「張り抜きの猫」は張り子の猫のこと。首をぶらぶらさせる張り子の猫が、秋の風に揺らいでいる。かれも秋立つ今朝の風を感じているに違いない。
 『古今集』の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」を引用した。