芭蕉db

別れ端や笠手に提げて夏羽織

(白馬集)

(わかればや かさてにさげて なつばおり)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。古来解釈の定まらない句の一つである。
 なお、この種の制作年次不明のものとして、58句がある。

別れ端や笠手に提げて夏羽織

 「さあ夏羽織ともお別れだ。皆さんともお別れだ。」とする説が多くなされている。これは季節を初秋として夏羽織を脱ぐ意に取った解釈である。しかし、作句の季節を衣替えの4月1日とすれば、冬の着物と別れて夏羽織に着替える。だから冬の衣と別れるように皆さんともお別れだ、として旅立つ前の留別吟とすることも可能である。