芭蕉db

榎の実散る椋の羽音や朝嵐

(笈日記)

(えのみちる むくのはおとや あさあらし)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。

榎の実散る椋の羽音や朝嵐

 榎は、ケヤキに似た木。小さな実を秋に付け、霜が降りる頃には甘くなって落ちる。そんな秋の朝、榎の枝で一夜を過ごしたムクドリの大群が一斉に飛び立つ羽音が聞こえてまるで嵐のようだ。ムクドリは秋になると群生して大集団で移動するのでそれが一斉に飛び立つときにはその羽音はすさまじい。出来栄えからいって後期の作とは思えないが。