芭蕉db   

来てみれば獅子に牡丹のすまひかな

(谷家文書)

(きてみれば ししにぼたんの すまいかな)

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 存疑の部に入る句。もし芭蕉の作とすれば貞亨5年『笈の小文』の旅の途中で大垣の谷木因邸を訪れた際の挨拶吟。

来てみれば獅子に牡丹のすまひかな

この家の庭には牡丹が満開である。まるで獅子の住まいのようだ。木因宅の手入れの行き届いた屋敷の景に対して賞賛をこめた挨拶吟。木因に対しては、後に元禄2年『奥の細道』の旅の後立ち寄って「隠れ家や月と菊とに田三反」と詠んでいる。