芭蕉db
   ふたたび芭蕉庵を造り営みて

霰聞くやこの身はもとの古柏

(続深川集)

(あられきくや このみはもとの ふるがしわ)

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 天和3年、芭蕉40歳の作。前年の暮に芭蕉庵が焼失し、甲斐の谷村に流寓していたが、明けて天和3年夏には芭蕉庵も再興されて江戸に戻った。一句はその第二次芭蕉庵での作。この年9句が記録されている。

霰聞くやこの身はもとの古柏

 こうして再び庵が再建されたが、その住人たる私はそれ以前の私と何も変わっちゃいない。まるで枯れてもなお木にまといついている柏の古葉のように。
 ところで柏の枯葉というのは、枝にそのまま付いていてなかなか木から離れない。そんな枯葉に霰が当って大きな音をたてていたのであろう。