芭蕉db

行く秋のなほ頼もしや青蜜柑

(浮世の北)

(ゆくあきの なおたのもしや あおみかん)

乙州が首途に

行くもまた末頼もしや青蜜柑

(猿丸宮集)

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 元禄5年秋。乙州が大津から金沢に旅立つのに江戸から送った餞別吟と言われている。乙州は元禄5年の春から夏にかけて江戸に居た。帰国後秋にまた旅立ったのである。
 なお、乙州は膳所藩の伝馬役という役目柄出張の多い職務であったからであろうが、餞吟が多い。「
梅若菜丸子の宿のとろろ汁」は特に有名。

行く秋のなほ頼もしや青蜜柑

いま秋が過ぎ去ろうとしてものみな紅く色づこうとしているというのに、ミカンの実ばかりは青々としてまだ夏の気を残している.なんと頼もしいことであることか。あなたの旅も末頼もしい旅になるはずですよ。