芭蕉db

秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革

(俳諧江戸通り町)

(あききぬと つまこうほしや しかのかわ)

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 延宝6年、芭蕉35歳七夕の作。この年12句が現存する。

秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革

 秋が来て、天の川では牽牛と織女が恋の明かりを点け合っていることであろう。一転してこの地上ではなんと鹿が恋の季節を迎えて体中に星を輝かせていることよ。鹿は発情期である秋になると冬毛の斑点が濃くなる。これを天の川の星と見立てたのである。
 典型的な談林風作品。