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芭蕉db
元禄七年六月二十一日、大津木節
庵にて
(鳥の道)
(あきちかき こころのよるや よじょうはん)
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元禄7年6月21日、芭蕉51歳。大津の木節庵での作。
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秋近き心の寄るや四畳半
四畳半の俳席には木節・維然・支考がいた。気のおけない人たちの俳席はしんみりとした落ち着きを見せている。愛人寿貞尼の死去の報は6月8日に受けているので、木節らは師の気持ちを慮っていたに違いない。その心遣いが芭蕉に反射してこの句の情感を豊かなものにしているのであろう。芭蕉秀句
の一句。
なお、『蕉翁句集』などでは、
秋近き心の寄りや四畳半
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とある。
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脇は木節がつけて「しどろに伏せる撫子の露」であった。この脇句も実によい。