美濃の人。『あら野』などに多数入句しているが、詳細は不明。
蚊屋臭き寝覚うつゝや時鳥 (『あら野』)
おかしげにほめて詠る月夜哉 (『あら野』)
宵に見し橋はさびしや月の影 (『あら野』)
能ほどにはなして歸る月夜哉 (『あら野』)
梅折てあたり見廻す野中かな (『あら野』)
すごすごと山やくれけむ遅ざくら (『あら野』)
草刈の馬屋に光るほたるかな (『あら野』)
直垂をぬがずに結ぶしみずかな (『あら野』)
まつむしは通る跡より鳴にけり (『あら野』)
鹿の音に人の貌みる夕了哉 (『あら野』)
一葉づつ柿の葉みなに成にけり (『あら野』)
このはたく跡は淋しき囲爐裏哉 (『あら野』)
枇杷の花人のわするゝ木陰かな (『あら野』)
蓮池のかたちは見ゆる枯葉哉 (『あら野』)
煤はらひ梅にさげたる瓢かな (『あら野』)
牛もなし鳥羽のあたりの五月雨 (『あら野』
日の入や舟に見て行桃の花 (『あら野』)