越前福井藩の100石扶持藩士。福井藩おかかえの能役者で芭蕉門人の沾圃の推薦で元禄6年ごろに入門した蕉門で最後の門人。中村太郎左衛門政方という名の武士。『続猿蓑』に多数 入集しているが、これは沾圃の引きであろう。
宵の雨しるや土筆の長みじか (『續猿蓑』)
蝶の舞おつる椿にうたるゝな (『續猿蓑』)
山吹や垣に干たる簔一重 (『續猿蓑』)
品川に富士の影なきしほひ哉 (『續猿蓑』)
橙や日にこがれたる夏木立 (『續猿蓑』)
早乙女に結んでやらん笠の紐 (『續猿蓑』)
名月や長屋の陰を人の行 (『續猿蓑』)
あさがほの這ふてしだるゝ柳かな (『續猿蓑』)
柴賣やいでゝしぐれの幾廻り (『續猿蓑』)
入海や碇の筌に啼千鳥 (『續猿蓑』)