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下京や雪つむ上のよるの雨

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下京や雪つむ上のよるの雨      凡兆

此句初冠なし*。先師をはじめいろいろと置侍りて、此冠に極め給う。凡兆あトとこたへて、いまだ落つかず*。先師曰、兆汝手柄に此冠を置べし。若まさる物あらば我二度俳諧をいふべからずト也*。去來曰、此五文字のよき事ハたれたれもしり侍れど、是外にあるまじとハいかでかしり侍らん。此事他門の人聞侍らバ、腹いたくいくつも冠置るべし*。其よしとおかるゝ物は、またこなたにハおかしかりなんと、おもひ侍る也。