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辛崎の松は花より朧にて

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辛崎の松は花より朧にて        芭蕉

伏見の作者、にて留の難有*。其角曰、にては哉にかよふ。この故に哉どめのほ句に、にて留の第三を嫌ふ*。哉といへば句切迫なれバ、にてとハ侍也*。呂丸曰、にて留の事は已に其角が解有。又此ハ第三の句也。いかでほ句とはなし給ふや*。去來曰、是ハ即興感偶にて、ほ句たる事うたがひなし*。第三ハ句案に渡る。もし句案に渡らバ第二等にくだらん*。先師重て曰、角・來が辨皆理屈なり。我ハたゞ花より松の朧にて、おもしろかりしのみト也*