芭蕉db

奥の細道

(那須八幡 元禄2年4月4日)


 黒羽の館代浄坊寺何がしの方に音信る*。思ひがけぬあるじの悦び、日夜語つヾけて、其弟桃翠*など云が、朝夕勤とぶらひ、自の家にも伴ひて、親属の方にもまねかれ、日をふるまゝに、ひとひ郊外に逍 遙して、犬追物の跡*を一見し、那須の篠原*をわけて、玉藻の前の古墳*をとふ。それより八幡宮*に詣。与市扇の的を射し時*、「別しては我国氏神正八まん*」とちかひしも、此神社にて侍と聞ば、感応殊しきりに覚えらる*。暮れば桃翠宅に帰る。


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表紙 年表


kaisetsu.gif (1185 バイト)

 この日は、元禄2年4月4日である。浄法寺図書高勝を訪問し宿泊した。高勝はこの時29歳。蕉門の俳号は、芭蕉の桃青の一字をもらって「桃雪」。この日も快晴であった。


那須八幡神社本殿と・・・


山も庭もうごき入るや夏座敷」の句碑と・・・ 


栃木県那須郡黒羽町蜂巣字篠原玉藻稲荷神社 写真提供:牛久市森田武さん