芭蕉db

許六宛書簡

(元禄5年12月8日 芭蕉49歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


長逗留御草臥之気し(き)もなく、御厚志不浅辱奉存候*。先々御俳諧筋目よろしく候而深切之義(儀)存候*。絵沢山に御書被成被下珍鋪慰に覚申候*。愚筆御ほめ被成候に力ヲ得申候*。何とぞ四色五色程覚置申度候*
此方御出被成候はゞ、十四日・十五日・十六日・十一・二は御除可成候*。他出之義(儀)知不申候*。十八日・十三日は慥に在宿可仕候*。為持被遣候物共相達し、忝*、嵐子方へ三つ物相届可申候*。委細期貴面*。 以上
且又四吟之俳諧もよほどおもしろく候。前夕、嵐蘭・珍夕吟じ見申候*
   八日
尚々九日・十日も在庵しれ不申候*
 

 深川芭蕉庵から入門したばかりの許六に宛てた現存する最も古い書簡。『柴門ノ辞』に通ずる芭蕉・許六の関係が分かる書簡。許六とは余程肝胆相照らす関係であったようで、この時期実に頻繁に往来があったようである。
 なお、本文中から、芭蕉にとっても歳末は多忙であったことがよく分かって面白い。