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芭蕉db
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富ム二花月ニ一
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草庵に桃桜あり、門人に其角嵐
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雪あり
(桃の実)
(りょうのてに ももとさくらや くさのもち)
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元禄5年3月3日桃の節句。この日、芭蕉は門人其角と嵐雪を招いて歌仙を巻く。すでにこの時期、其角も嵐雪も、芭蕉が唱導する「軽み」の俳諧に従わず、師弟間には強い軋轢が存在していたのである。
両の手に桃と桜や草の餅
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草庵の庭には今をさかりと桃と桜が咲いている。私は両手に其角と嵐雪を擁している。この草庵は第三次芭蕉庵のことらしい。
ただし、第三次芭蕉庵入居は『芭蕉を移す詞』によれば、元禄5年5月のこととしているので桃の節句ではつじつまが合わない。前詞が『桃の実』の編者兀峰(こっぽう)の創作か?。なお、これには元禄2年説もあるが『奥の細道』出発間際であり、取らない。