徒然草(下)

第200段 呉竹は葉細く、河竹は葉広し。


 呉竹は葉細く*、河竹は葉広し*。御溝に近きは河竹、仁寿殿の方に寄りて植ゑられたるは呉竹なり。

呉竹は葉細く:呉竹は中国伝来の竹。別名ハチク。葉が細い。竹の子をもっとも遅く初夏になって生える。真竹より細く背も低い。これが、仁壽殿に植えてあった。

河竹は葉広し:「河竹」はマダケのこと。これが清涼殿の東庭の御溝水に沿って植えてあったという。


 この段も筆者のオタク族ぶりを発揮した一段。


 くれたけははほそく、かわたけははひろし。みかわにちかきはかわたけ、じじゅうでんのかたによりてうえられたるはくれたけなり。