芭蕉db

与次兵衛(昌房)宛書簡

(元禄3年9月28日 芭蕉47歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


暫時旧里へ立越申候*。御内方様御病気*、頃日も毎日無心元存候へ共、京都へ上り、罷下候て*、発足前故取重*、其元計へ御暇乞もいかヾに存候而*、御残多ながら此まゝ罷立候。
随分御養生可成候*。追付可再会*。御内方へも御心得可成候。易気湯御用之由*、いかにもいかにも可然被存候*。嘸ぞ嘸ぞ頃日御気盡し、難申盡*。 以上
  九月廿八日
尚々色々御懇意、筆帋難盡候*。御隙にも成候はば、風雅御はげみ可成候。

与次兵へ様                 はせを


膳所の門人茶屋与次兵衛こと昌房宛書簡。この日に、京都からとんぼ返りして、再度伊賀に帰郷するのだが、その直前に書いたものらしい。



隙にも成候はば、風雅御はげみ可成候:<おひまにもなりそうらわらば、ふうがにおはげみなさるべくそうろう>と読む。おひまになったら、俳諧修業にお励みください、の意。