芭蕉db

雪芝宛書簡

(元禄7年閏5月10日 芭蕉51歳)

(真蹟:天理大学附属天理図書館所蔵)

書簡集年表Who'sWho/basho


 御芳翰、殊醒井餅一重被御意忝、能慰と賞翫可致候*。一昨夕少持病気味御座候處、昨今は苦労に成申ほどの事にも無御座候。明夕之事*、いまだ俳諧心程にも無御座候へども、成合に可成候はヾ*、暮ざる内より御見舞可御意*
一、御発句留置候而緩々熟覧、重而善悪可得懸御意*。以上
    壬(閏)五月十日
  やまだや
    七郎右衛門様                         はせを
      貴報

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 帰省中の伊賀上野で伊賀門人雪芝に宛てたものとしては現存する唯一の書簡。雪芝からの餅の贈り物への謝辞と、雪芝主催の俳席への招待に対する応対、体調の軽い不調が趣意である。