芭蕉db

杉風宛書簡

(貞亨4年12月13日 芭蕉44歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 其元別条無御坐候哉、承度奉存候*。寒気之節、屋布御勤相調候哉*、無心元存候。
先書にも申進之候通、霜月五日鳴海迄つき、五三日之中、いがへと存候へ共、みや・なごやよりなるみまで、見舞あるは飛脚音信さしつどひ、わりなくなごや引越候而、師走十三日、煤はきの日まで罷有候。色々馳走不浅、岐阜・大垣などの宗匠共も尋見舞候。隣国近き方へまねき、待かけ候へば、先春に春にと云のばし置申候*。なるも此かた二、三十句いたし候へば、能事も出不申候。只まを合たるまでに候*
 

旅寝してみしやうきよのすゝ払

極月十三日
 
杉風雅丈
尚々甚五兵衛殿*・又兵衛殿*・仙化*へ無事之事しらせ可被成候。

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 「笈の小文」の途、名古屋から江戸の杉風に宛てた書簡。 名古屋・熱田・鳴海などでの接遇について報告しているが、特に予定が大幅に遅くなっていることとその理由について書いている。 なお、この日は恒例の国民的年末大掃除の日であった。