芭蕉db

正秀宛書簡

(元禄5年3月21日 芭蕉49歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 さても山川万里、百日あまりと覚申候*。久々上方のゆるやかなる處にくらし候くせ付候て、ゑどのやかましさ、行先々のせばさ、北風南風のせめにあひ、いまだたびごヽろやまず候。風雅いかゞ被成候や。昌房子・探子・及肩老、さだめて可御無異と存候*。めいめい書状むつかしく候間、つらりとよき様に奉頼候*。遊刀丈、猶*
頓而茶時、嘸と御推量申候*。此方あべちやあしく候に付ても*、猶御なつかしく候。 以上
     三月廿一日                          はせを
  正秀雅丈
 折々御状申請度候

 江戸から膳所水田正秀宛に書いた書簡。湖南滞在の謝礼をこめて、そのなつかしさを強調している。久しぶりに帰った江戸ではあったが「北風南風のせめにあひ」どこか寒い風が吹き抜けてもいたのである。やがて「閉関の辞」を書く時に至るのである。