芭蕉db

去来宛書簡

(元禄4年7月12日 芭蕉48歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


御報忝拝見*、薬種六色・桂(挂)杖相届申候*。殊之外残暑難凌候*。其後みの御つゝしみ可成旨、大悦に存候*。猶流布ひそかに御聞合可成候*
一、先被芳意候金、伊賀より小者指越候。同名方へ遣し候間*、別而能時節と不浅大悦に存候故、其元迄申進じ候*
一、野水上京之よし荷兮より申来候*。此事御尋被下候へと先日申進じ候*。追付下り候哉、逗留申候哉、承度存候*
 下りにて候はゞ一宿之様に立寄申候へと御つたへ可下候*。逗留候はゞ盆後上京之次手逢申度候*。  以上
    七月十二日
去来様

 膳所義仲寺の新庵から京都の去来に宛てた書簡。伊賀上野の兄への資金提供のお礼、届けられた薬や杖の謝礼など。また、名古屋から上京中の野水への伝言などが書かれている。去来宛なのに俳諧のことが殆ど書かれていないのが特徴。