芭蕉db

去来宛書簡

(元禄5年2月18日 芭蕉49歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


始早々預貴墨、忝致拝見*。愈御無事、玄端老御一家、別条無御座候哉*。拙者折々ながら先無恙罷暮候*。三つ物御下し、則感吟、驚入申候*。扨は去歳無遠慮棒をあて候も、能御請こたへ候にや*。愚案手ざはりたがはず、当年扶桑第一と被*。鳥も囀の脇、発句之釣合、句のにほひ、江東日暮之雲といらひつべう候か*。史邦も中七、又能被置候。発句、長高、意味不*、それぞれに手柄相見え候。京にてもさた有之よし、珍碩より申越候。膳所と貴様三つ物にて、とヾめ申候。其角三つ物も評判よろしき由申来、大悦に存候。先書、御発句相達候。尤感心に存候。風景手よはく、まぎれ安所御座候而、慥に請取かね候*。愚句、閉口*、一句も不到覚悟に存候へ共、頃日与風存知付候へば、御心付之為にもやと書付申候。史邦連衆之外へは御出し被成まじく候。
 

鶯や餅に糞する縁の先

 
下、笹伝ひと可有や*
 
     二月十八日 
   去来様                       ばせを
 
愚句歳旦、御心に御入候由、珍重。精を出し候。其角も感不少候由、申候 。

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 江戸から京都の去来に宛てた書簡。 歳旦吟を話題とした同一テーマの手紙三本の一。去来や史邦ら京都の門人たちに、「軽み」が理解され始めたことに満足している。御機嫌の書簡。