芭蕉db

村松猪兵衛宛書簡

(元禄7年6月8日)

書簡集年表Who'sWho/basho


 寿貞無仕合もの,まさ・おふう同じく不仕合,とかく難申盡*。好斎老へ別紙可申上候へ共*、急便に而、此書状一所に御覧被下候様に頼存候。万事御肝煎御精御出しの段々先書にも申来*、扨々辱、誠のふしぎの縁にて、此御人頼置候も、ケ様に可有端と被存候*。何事も何事も夢まぼろしの世界、一言理くつは無之候。ともかくも能様に御はからひ可成候。理兵へ(衛)*もうろたへ可申候間、とくと気をしづめさせ、取乱し不申様に、御しめし可成候。以上
                         桃青 (書判)

六月八日

猪兵へ様

 愛人寿貞尼の急死の報に接して書いた猪兵衛宛至急便。寿貞尼は、元禄7年6月2日死去。悲報は、6月8日、京都嵯峨の落柿舎に届けられた。
 本書簡には、芭蕉畢生の悲しみが綴られている。