芭蕉db

指宛書簡

(元禄6年4月23日 芭蕉50歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


先日は預御尋、暫時得貴慮辱奉存候。愈追付御立可成候*。御堅固御供可成候。期書音可芳情*
墨画之義、児童之戯筆*、少年たぐひ、御所望にまかせ、則二枚したゝめ申候。一枚は他へ被遣候為と奉存候。被遣候山野の画*、似合敷句無御座、愚筆にも薄を画、無調法之至に存候*。乍慮外下薄一段きりて御のけ被成候てはいかヾ可御座候哉*。薄有之候ても発句かひには成不申候*。山形計にてもさびて可珍重哉と存*、推参申候*。頓首
 
     卯月廿三日
 
   闇指雅伯                     芭蕉子
 
 
尚々御持参被下候黒苔、日々賞翫、辱奉存候。且、風雅無御間断御修行可成候*。御連中様可然奉頼候*。軒号之儀、追付跡より沾圃可申達*

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 福井藩士仲村闇指が福井に帰郷に際して求めてきた自画への芭蕉画讃句の揮毫、ならびに芭蕉の絵の贈呈のための書簡。芭蕉は許六の教えによって絵の腕前が上達の最中であり、また書きたくて仕方がなかったのであろう。