芭蕉db
   伊羅古に行く道、越人酔うて馬に
   乗る

雪や砂馬より落ちよ酒の酔

(真蹟懐紙)

(ゆきやすな うまよりおちよ さけのよい)

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 貞亨4年44歳。『笈の小文』の旅の途次、酒好きの越人と一緒に伊良子の杜国を訪ねる道すがら、越人は酔っ払ったまま馬の上で居眠りを始めた。それを見ている芭蕉は気がきではない。

雪や砂馬より落ちよ酒の酔

 伊良子岬に門人杜国を訪ねる旅の途次、天津縄手<あまつなわて>と呼ばれる道を行く。渥美湾から吹き上げてくる季節風は砂混じり雪まじりの強烈なもの。同行の越人は酒に酔っ払って居眠りしながら馬に揺られている。越人の酒の酔いが冷めてくれればよいのだが。。。


渥美郡渥美町大字江比間、中郷公園の句碑(牛久市森田武さん提供)