芭蕉db
   旅立つ日

このほどを花に礼いふ別れ哉

(真蹟懐紙)

(このほどを はなにれいいう わかれかな)

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 元禄元年3月19日。『笈の小文』の旅で、20日に及ぶ長逗留した故郷伊賀上野の門人苔蘇の瓢竹庵を去るにあたって。芭蕉はこの後吉野に向かう。このとき「花を宿に始め終りや二十日ほど」も詠んでいる。

このほどを花に礼いふ別れ哉

 「いやはや大変お世話になりました、これからまた旅を続けます」、とお礼を宿の花に言って、その主人への謝意を詠んだ。