芭蕉db

花に明かぬ嘆きや我が歌袋

いが上野松尾 宗房

(続山井)

(はなにあかぬ なげきやわれが うたぶくろ)

   花の下に発句望まれ侍れば

花にあかぬ嘆きやこちの歌袋

伊賀住 宗房

(如意宝珠)

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 寛文7年、24歳の若い作。『伊勢物語』の「花に飽かぬ嘆きはいつもせしかどもけふの今宵に似る時はなし」(在原業平)をパロディー化したもの。

花に明かぬ嘆きや我が歌袋

 在原業平は、「花に飽かぬ」ことを嘆いたが、私は花があっても歌袋が「明かない=開かない」ばかりに歌が出てこない。