芭蕉db
昼の休みとて旅店に腰を懸けて
躑躅生けてその陰に干鱈割く女
(泊船集)
(つつじいけて そのかげにひだら さくおんな)
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貞亨2年。『野ざらし紀行』の旅の途中、琵琶湖付近。
躑躅生けてその陰に干鱈割く女
昼休みにと立ち寄った茶店では、大きなツツジが生けてある。その陰になってよく見えなかったが女がひとり干鱈を裂いている。今ではタラも高級魚だが、この時代は貧者の食品であり、一年中保存して食べた。この女がこのタラをこの後どうするのかは分からないが、あまり高価な旅店ではなさそうだ。
滋賀県甲賀郡石部町真明寺境内の句碑(牛久市森田武さん撮影)