芭蕉db

座頭かと人に見られて月見哉

(木枯)

(ざとうかと ひとにみられて つきみかな)

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貞亨3年八月十五夜、43歳。

座頭かと人に見られて月見哉

 月見をしていると、私の姿を見てあたりの人々は私を座頭と間違えたようだ。芭蕉はこの頃、僧形だったので。
 ところで、「座頭」は、元来は琵琶法師の階級称号(上から順次「検校<けんぎょう>」、「別当<べっとう>」、「勾当<こうとう>」、「座頭<ざとう>」)であったものが、江戸時代に入ると盲人の琵琶法師や按摩、鍼医などを指す言葉に変っていた。ここでは、これらに間違えられたといっているのである。