芭蕉db
梅雨
五月雨や桶の輪切るる夜の声
(真蹟懐紙)
(さみだれや おけのわきるる よるのこえ)
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貞亨4年夏。
五月雨や桶の輪切るる夜の声
降り続く梅雨の季節。寝ていると夜中に桶の輪が切れる音がする。五月雨の雨があふれるほど桶にたまって、その重みでタガが切れたのであろう。
音がありながら何と静寂であろう。「
しずかさや岩に染み入る蝉の声
」と同じ、音がしていながら怖いほどの静寂が表出されている句。