芭蕉db
   刺棹書きたる扇に

鳥刺も竿や捨てけんほととぎす

(俳諧千鳥掛)

(とりさしも さおやすてけん ほととぎす)

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 貞亨2年。『野ざらし紀行』の旅の途中、熱田。画賛。

鳥刺も竿や捨てけんほととぎす

 「鳥刺し」は、モチを塗った竿にふれて捕らえられた鳥を刺し殺す刃物または、そういう殺生をする人のこと。ここでは後者。その鳥刺しが、ホトトギスの声を聴いて感動したのであろう。竿を捨てて逃げていったものらしい。その竿がこの扇子に描かれているのだ。
  なお、ホトトギスと郭公についてはここを参照