芭蕉db

柴付けし馬のもどりや田植樽

(蕉翁全伝)

(しばつけし うまのもどりや たうえだる)

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 元禄7年夏。伊賀上野窪田意専宅にて詠んだとされる。伊賀近辺の農夫の情景か、または意専宅の小作の百姓を描いたものか。

柴付けし馬のもどりや田植樽

 来るときには柴を満載した農夫が、帰りには田植えの晩に振舞う田植え酒の樽を馬の背中に乗せて帰っていく。そののんびりとした周囲に漂う幸福感と情景は、芭蕉にとって昔見慣れた懐かしさだったのであろう。