芭蕉db

橘やいつの野中の郭公

(卯辰集)

(たちばなや いつののなかの ほととぎす)

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 元禄3年。上方での句。

橘やいつの野中の郭公

 橘の花の匂い、ホトトギスの鳴声、こんな懐かしい情景がどこでだったか、いつの昔だったか、同じようにあったように思う。
 この句、「
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」(『古今集』読み人しらず)と同じ作句動機が働いているようだ。芭蕉秀句の一句。
 なお、ホトトギスと郭公についてはここを参照