芭蕉db
　　　端午

明日は粽難波の枯葉夢なれや

（六百番俳諧発句合）

（あすはちまき なにわのかれは ゆめなれや）

句集へ　年表へ　Who'sWhoへ

　延宝5年、芭蕉34歳の時の作。芭蕉は、この年に俳諧宗匠として立机（プロの俳諧師になること）したらしい。この年22句が現存する。

明日は粽難波の枯葉夢なれや

　　西行の歌「津ノ国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風わたるなり」（『山家集』）を引いている。明日は5月5日の端午の節句、人々は皆ちまきを作って食べる。その粽は葦の葉でくるんで作るのであるが、西上人の歌にあるように、その葦の葉は一場の夢のように一瞬にして枯葉となるであろうのに。